
働き方の多様化や人手不足への対応など、企業を取り巻く環境が大きく変化している今、「生産性の向上」や「業務効率化」は避けて通れないテーマとなっています。
一方で、それぞれの言葉の意味を正しく理解し、働くオフィス環境とどう結びつけて改善していけば良いのか、明確な答えを持つのは難しいかもしれません。
今回は、「生産性向上」と「業務効率化」の違いを整理したうえで、オフィス空間がそれらに与える影響や、効果的な改善の進め方についてご紹介します。
生産性向上とは何か?

生産性とは、「投入した資源(人・時間・コスト)に対して、どれだけ成果が得られたか」を示す指標です。つまり、生産性向上とは、同じ人員・同じ時間・同じ予算で、より高い成果を出せる状態にしていくことです。
たとえば、営業職であれば、訪問件数を減らしても成約率が上がることで、結果的に成果が高くなる。あるいは、事務作業の負担を減らすことで、本来注力すべき業務に時間を割けるようになるなど、生産性の向上には「成果の質」と「働き方の質」の両方が求められます。
単純に“早く仕事を終わらせる”ことが目的ではなく、企業としての付加価値を高めることが、生産性向上の本質だと言えるでしょう。
業務効率化との違い



一方、業務効率化は「無駄な時間や手間を減らし、作業のスムーズさを向上させること」が目的です。業務の流れや仕組みを見直し、改善することで、より短い時間で同じ作業を終わらせられるようになります。
具体的には以下のような取り組みが当てはまります。
- ◎AIなどのデジタルツールを利用する。
- ◎会議をオンラインやハイブリッド会議に切り替える
- ◎業務の進行状況を可視化するツールを導入する
業務効率化は、生産性向上のための“手段”です。効率よく業務を回すことで、空いた時間やエネルギーをより創造的で付加価値の高い仕事に振り分けられるようになり、その結果として生産性が高まるという関係性にあります。
オフィス環境が与える影響



これらの取り組みを進めるうえで見落とされがちなのが、「オフィス空間そのもの」の役割です。
実は、働く場所の快適さや使いやすさが、生産性や効率性に与える影響は非常に大きいのです。
たとえば、次のような課題がある職場を想像してみてください。
- ◎エアコンの効きにムラがあり、席によって快適さが違う
- ◎会話や電話の声が響き、集中できない
- ◎書類や備品があちこちに散在し、探すのに時間がかかる
- ◎会議室が少なく、予約が取りづらい
これらは一見「些細なこと」に見えるかもしれませんが、積み重なれば社員のストレスや業務の非効率に直結します。
また、リモートワークとの併用で出社する人数が変動する今、柔軟に対応できるオフィスづくりも求められるようになってきています。

自由な働き方のオフィスデザイン事例
生産性向上のために押さえておきたいポイント

オフィス改善を検討する際には、以下の4つのポイントを意識することが効果的です。
1.現状の課題を可視化する
日々の業務で感じている「不便」「やりにくい」といった声を集めることが出発点です。社員アンケートや簡単なヒアリングなども有効です。
2.動線やオフィスレイアウトの見直し
コピー機や備品棚、会議スペースなどの配置を最適化することで、無駄な移動や時間のロスを削減できます。
3.ゾーニングによる空間スペースの使い分け
集中が求められるエリアと、コミュニケーションを活発に行うエリアを明確に分けることで、双方の業務効率を高められます。

ゾーニングを行った事例のご紹介
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